恵比寿大黒屋日記

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<<   作成日時 : 2010/05/25 00:17   >>

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つなぐもの

OTIS!にて朴保×中川卓也ライヴ。
昨年のヒロシマ平和映画祭プレイベントでの
横シネ深夜ライヴ以来でしたが、やっぱいいわ、朴保さん。

メッセージソングは、それ自体好きでもキライでもない。
まあ、当たり前のことだが、メッセージソングでもいい曲、つまらない曲がある。
もちろん、歌い手でも。
歌っているメッセージ内容自体はわかるんだけど
どうにも心に響いてこない、ということがままある。
そういうときは、むしろ押しつけがましく聞こえて却って不快になったりする。
何が違うのかなあ、センスとか上手いヘタの差なのかなあと思ったりもするが
木訥で上手いとはお世辞にも言えない歌でもいいな、と思うことはあるし。
で、今日、朴保さんを聴きながら、思った。
「つなぐ」ってことができるかどうか、はやっぱり重要だと。
例えばヒロシマのことを歌ったとしても
それがただ「原爆の悲劇」ということや
「戦争反対」ということで「閉じて」しまっていたら
言わんとすることはわかるけれども、悪いけど退屈だ。
それがいい意味で「面白い」と感じ、また深く胸に響いてくるためには
そこからのイメージの広がりが必要なんだな。
ヒロシマだけにとどまらないたくさんの悲しみや不条理
多くの、大きな歴史上の悲劇から、日常のささやかな苦しみまで
それらにつながる回路をどれだけ内包しているか
そこに歌の豊穣さがある。
楽曲にしろ、歌い手にしろ、同じこと。
朴保さんにはそれがある。
在日韓国人である朴保さんが歌う朝鮮半島や在日のことを歌った歌が
何故、純(まあ、さかのぼればどっかで大陸や半島の血がまじっていても不思議無いんだけど)日本人である私が
思わず深く聴き入り、そして心を揺さぶられるのか。
私へとつながる回路が、そこには間違いなくあるからだ。

もちろん、朴保さん、ギターも歌もすごく上手いのだけどね。
あ、そう、特別ゲストで、広島のペ・ハッテさんがチャングを叩いたのだけど
これがまたすごかった!
チャング上手いのはもちろん知っていたけれど
今までは朝鮮音楽での演奏でしか聴いたことがなかった。
しかし、ロック調でもレゲエ調でも、なんでもござれで
まったく違和感ないどころか、ピッタリの音とリズムを紡ぎ出す。
これは新鮮な驚きで、思わぬ拾いものをした感じでした。

ところで、朴保さんにはヒロシマを歌った
そのものズバリ「ヒロシマ」という歌がある。
今日はタイムリーな話題であり、朴保さん自身の関心事でもある
沖縄のことを歌った歌や原発のことを歌った歌が多かったのだが
「ヒロシマ」はいつまでたっても出てこない。
「あれ? やらないの?」とは確かに思ったが
個人的には、無くても別にかまわない気分だった。
でも、アンコールの時に案の定、客席から「『ヒロシマ』やらないの?」と声が飛び
結局歌うことに。
正直、若干「うんざり」な気もした。
私はほぼ毎日広島の地で暮らしている。
別に毎日「ノー・モア・ヒロシマ」を叫んでいるわけでもないけれど
「ヒロシマ」はふとしたことで常に眼前に飛び出してきて
そのことを、何かしら考えずにはいられない。
たくさんいい曲があるのに
わざわざ「ヒロシマ」をリクエストする気にはなれない。
「つながる」歌だからこそ
沖縄の歌を聴いて、沖縄とつながることの方がずっといい。
広島で「ヒロシマ」を聴きたがる心情
それってどこか「ヒロシマ」賛美じゃないのか、と
ちょっといじわるなことを思った。

「ヒロシマ」を特別視し、神聖化する思想。
遠い外国の紛争地で、「ヒロシマ」が特別な日々を持つのは理解できるが
広島に暮らしている人間が「ヒロシマ」をそのように特別視するのは
ある意味「お国自慢」の類のようでもある。
もっといじわるく言えば
「世界最初の被爆地」という「広島」の特殊性に仮託して
自分をアイデンティファイする、くだらない思想のようにも思える。
広島に暮らし、「ヒロシマ」の惨事を身近に見聞きしていればこそ
世界中の戦争被害や、放射線被害を
さらにはあらゆる世界の暴力や不条理を
「ヒロシマ」と同じものとして「つなげて」思うことこそ
大切なのではないかと思うのだけど。
そんな風に思うのはヒネクレすぎているかなあ。

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