恵比寿大黒屋日記

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zoom RSS 「弔い」と「笑い」

<<   作成日時 : 2011/08/10 22:43   >>

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対極のようで実は近いのかもしれない

黄蝶南天舞踏団「祝告の器」
ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

7月末に台湾公演を終えてすぐの広島入り
舞台の仕掛けも多く、さすがに万全の体制で、というところまではいかず
若干のトラブルもあり、ご迷惑をおかけした点がありました。
申し訳ありません
(クーラーの故障で暑くて途中で帰ってしまわれた方、すいませんでした)。
完璧に越したことはありませんが
いろいろアクシデントが起きるのもまたライヴならではで
そこまで含めて楽しんでくださった方もたくさんおられました
(「汗だくになったけど、それがまた良かった!」 という方も)。

アビエルトの中山さんと、アビエルトに出入りしている市大生さんほか
私たち広島スタッフで作り始めた舞台でしたが
台湾の本隊が到着しなければ決められず作れないものなどもあり
本番間に合うのか?とヒヤヒヤしましたが
旅の途中の若者が面白がってずっと手伝ってくれたりして
なんとか間に合いました。
台湾からの踊り手たちはもちろん、スタッフも全国あっちこっちからかけつけて
蒸し暑い中汗だくの仕込みとリハーサルの日々でしたが
活気のある楽しい現場でした。

台湾も1999年に大地震に見舞われています。
今回の東北大地震と津波の被害は彼女たちの中で12年前の記憶とつながっていたことでしょう。
そして原発事故も、台湾にとっても他人事ではありません。
彼女たちは、台湾では、立ち退きを迫られているハンセン病療養所の
立ち退き反対に連帯し、その敷地内でテント公演を続けています。
その彼女たちの
死者や弱者に対する思いはそれらすべての記憶と声にならない声をつなぎ合わせ
8月6日のヒロシマに放たれました。
それは間違いなく無念の死を死んでいった無名の人びとへの
「弔い」の踊りでした。
しかし、そこにはふんだんに「笑い」もありました。
南方の葬送儀礼は日本と違って賑やかで
沖縄でも歌って踊って大宴会をやるようですが
台湾ではお葬式でストリップショーまでやるんだそうです。
最近は流行を取り入れてポールダンスまでやるそうで
「祝告の器」でも、シリアスな場面から幕が開いて一転ポールダンスが始まったりします。
宙に吊した竹を渡る曲芸も披露します。
津波の際に流された畳の上で生き延びたエピソードをモチーフに
御輿のようにかつがれた畳の上でサーフィンするというシーンもありました。
全体を通して観ていただければわかりますが
決して「不謹慎」な演出ではありません。
むしろ「笑い」は重要なモチーフでした。
概ねしめっぽい、しめっぽくしていなければ不謹慎とそしられる日本の「弔い」ですが
すでに書いたように、南方では非常に明るく賑やかなものが多いのです。
それは「不謹慎」なのではなく
死者が「あの世」で悲しまないよう、精一杯楽しく送り出してやろうという優しさなのです。
しかし、「弔い」の意味を込めているとはいえ、これは葬式ではなく
舞踏という表現作品です。
ここでは「弔い」と「笑い」がもうひとつの役割を担っています。
どちらも「日常=ケ」をひっくり返して無化する呪術的な力を発揮します。
「弔い」は生者の世界を反転して「死者」が中心の世界を呼び起こします。
そして「笑い」は日常が持つ禁忌や制約を吹き飛ばし、抑圧されている精神を解き放ちます。
そこに、日常の中で隠されている「モノ」がヌッと顔を出すのです。
彼女たちのオドリを見て、哀しみ、そして笑ったあとに
ヌッと不気味にカオをのぞかせた「モノ」が心に引っかかるのです。
その「モノ」を「今ここ」に引きずり出すのは彼女たちの身体
特に座長である秦かの子さんの身体表現の呪力でした。

裏方にいた私は、全編客席から見ることはできず
部分的にしか見ることができませんでしたが
それでも、「すごいものを見た」という衝撃を受けました。

前日リハの時
終盤の、憑き物が憑いたようなかの子さんのソロパートのシーンで
どこからともなく入り込んだ精霊トンボが、彼女の回りを飛んでいたのが
目に焼き付いています。
蝶やトンボを、「死者の魂の乗り物」と考える習俗がありますが
文字通り「精霊トンボ」ですから。
これはオカルトでも何でもなく
素晴らしい表現とはそのようなもの
目に見えない「モノ」を呼び寄せる呪力を持ったものだろうと思います。

生き残った被災者の支援、チャリティも含めて、もちろん大切なことです。
同時に、死んでいった者たちは弔われなければなりません。
生きている者の世界がすべてであるような生き方、思想
原発のようなモンスターを生み出してしまったのはどうもそのような考え方にもよるように思います。
常に死者とともにあるような生き方、たとえば北米インディオたちがそうですが
彼らが原発や急激な近代文明化を拒み、恐れることは
そのような死者との距離に関係がありそうです。
被災者の支援に資金が必要である以上、チャリティー・ライヴも意味があると思いますが
「弔い」の表現がもっともっとあっていいと
そんな風に思います。

***

さて、カフェ・テアトロ・アビエルトでのこの夏のイベントはまだまだ続きます。

8月はあと二つ。

2011年8月20日
広っぱratta(清水章代)「kamiとのくらし」
@14:30open 15:00start A19:00open 19:30start 2000yen
「kami」という言霊をあつめて組み立てたパフォーマンス、い​や一人芝居、いや音楽・・・身体表現。
そうこれが「Haptmai-m(ハプトマイム)」
Kackey@dabigtreeをゲストに迎え
http://facebook.com/kackeybigt&#8203;ree
舞台に息吹きが吹きまくる! ぜひ、お見逃しなく!

そして
8月28日(日)
〔two〕
19:30開場 20:00開演
2500円(1ドリンク付) ★要予約
t-谷本仰(ヴァイオリンほか)、w-若林美保(ストリッパー)、o-大槻オサム(ダンス・パフォーマンス)
による3人即興ユニット〔two〕
初の広島公演です。
ライヴペインティングで藤堂信行も参加。
オープニングアクトに中島由美子。
曲者3人のインプロヴィゼーション、何が起こるか乞うご期待。

*翌日8/29(月)は
@呉・ザンパノカフェ(呉市中通4丁目2−22杖口ビル)
19:30開場 20:00開演
2800円(1ドリンク付) ★要予約
オープニングアクトはこの夜も中島由美子。

***

それから、まだ先の話ですが
広島のサブカル・アングラ・マスター ain ちゃんが
この秋、一大イベントを開催するようです。
なんとあの「広島太郎」さんの「ライヴ」まで!
バカバカしくて毒々しくて、痛快な日々が展開されそうな雲行きです。
多分、オイラもどっかで踊りに出るのではないかと思われます。
サイトはこちら。
http://viii8.net/
http://viii8.net/111104/
広島がひっくり返るようなイベントになるといいですな。

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