恵比寿大黒屋日記

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zoom RSS 青い天使

<<   作成日時 : 2012/02/10 00:25   >>

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ぼく 青い光を見たよ
からだに青緑が染みこんでしまったよ

南相馬市に住む詩人・若林丈太郎さんの本
「福島原発難民 南相馬市・一詩人の警告」
の中に収められていた
鈴木比佐雄さんの詩
「二十世紀のみどりご」の冒頭
そのサブタイトルに明示されているように
JCO臨界事故で亡くなった大内久さんのことを詠んだ詩だ。

ヴァイオリン・谷本仰とのユニットTremoloAngelosで
一昨年から上演している「ホシハ チカニ オドル」も
大内さんのことをモチーフに作った作品で
その冒頭は、大内さん(らしき人物)の
病床でのモノローグで始まる。
いや、一人芝居なのだが
見えない付き添いの家族や医師や、天使(ユーレイ?のようなもの)との
ダイアローグというのが正確なのだが
その後、台詞のないダンスパフォーマンスを挟みつつ
チェルノブイリの森(の自称妖精さん)が登場し
最後はベンヤミンの歴史の天使(のようなもの)が星空に消えていく。
その最後の天使の衣装は
たまたま私が持っていた青い衣装に手を加えたものなのだが
初めから「青い衣装」と決めていたわけではなかった。
しかし、この詩を読むと
最後の天使は「青緑が染みこんだ」大内さんでもあるかもしれない。
そのように考えると
最後のシーンはまた違ってくるかもしれない。

臨界事故で被曝死した大内さんが「天使」であるなら
それは「殉難者」のようでもある。
しかし、それはキリスト教におけるイエスや
仏教におけるブッダとはまったく違うものであるし
無論イスラム教のジハードの死者とも違う。
一番近いのは、靖国の「英霊」だろう。
「原発安全神話」を信奉する、科学万能(中身は拝金)主義という
カルト宗教の殉難者である。
原発推進カルト信者は言うだろう
「犠牲になった人びとに報いるためにも
ここで原子力開発をやめるわけにはいかない」と。
それが、無謀な戦争を継続して多大な犠牲者を出した戦前の日本と
同じメンタルだということは、今さら私が言うまでもない。
「福島の事故を経験し、さらに安全性を高めることができたので
日本の原発は安全です」
と海外に原発をセールスする懲りない面々の言い様は
カルトを通り越してギャグでしかない
いや、ギャグなんていう軽いものではない
犯罪と言って良い言い種であろう。
しかし、それをとがめだてする者の方がカルト扱いされるらしい
こんな事態になってさえ未だにこの国では。

「福島原発難民」には、1971年からの詩や文章が収録されているが
著者は1971年時点で正しくその行く末を見抜いている。
「5年後に予定されている完工時は、いまはらんでいる諸問題の臨月でもある。約16億円と試算される原発の固定資産税のうち3億円程度を残して県に吸い上げられるうえ、いったん消費生活の美味を味わった住民が農外所得を失ってどう生きるか。残されるものは放射能の不安だけとなっては、たまるまい。」
ちょうど40年後に、残されたのは文字通り「放射能の不安だけ」となってしまった。

「青緑が染みこんでしまった」天使は
何を思い、何を語り、誰をどこへ導こうとしているのか、またいないのか。
歴史の天使が目を背けられずにいる瓦礫の山の中でも
とびきり醜悪な瓦礫
風にはらまれ、押し返されて、進むほかない未来にまで
延々と処理できずに残り続けるであろう
放射能の瓦礫の山の中で
天使は何を見つめているのだろうか。

青緑が染みこんでくれればまだよいものを
目には見えず匂いもしないのだから苛立たしい。
それをよいことに「無かったこと」にしたい人びとは
その見えない匂わない放射能をただただ拡散して薄めてしまえばよいと思っているらしい。
「ヒバクシャ」も全国に拡散してしまえば
それが原発事故に原因する健康被害かどうかなど確かめようもなくなる。
この国の政治家と財界人はそう思っているとしか考えられない。
どうしようもないカルト国家だと、私は思う。

***

まだ何度も再演したい、そしてすべき作品であろうと思っている
「ホシハ チカニ オドル」なのだが、残念ながらなかなか次の公演のメドが立たない。
今年の7月に、ちょうど震災直前の2011年2月に公演した広島で
再演を予定しているのだが
もう何カ所か、公演できたらよいのだけど、、、。

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